向き合うことから
架け橋はつながり始める

海上業務部 輸出NVOCC課(取材当時)
2025年入社 / 国際社会科学部 国際社会科学科 卒
中村 智穂 CHIHO NAKAMURA

PROFILE

大学では英語による講義で政治から経済までを広く学びながら、カナダ・バンクーバーに留学。日本から持ち込んだ文房具やお菓子を喜んでもらえた経験から、「日本と世界の架け橋になる仕事」を志望して就職活動を進めた。大学の説明会でKLLに興味を持ち、のびのびと会話できる雰囲気に惹かれて入社を決意。現在は海上業務部で輸出NVOCC課に所属している。

現在の仕事内容

私は海上業務部で、輸出貨物を積載する船舶のブッキングとB/L(船荷証券)の作成を担当しています。営業やCSから依頼を受け、スケジュールや遅延傾向を見ながら、最適な船舶のスペースを確保しますが、満船の場合は別船を案内したり、料金・リスクなどを踏まえた提案をすることもあります。B/Lは船名や貨物名、国・企業コードの1文字の違いによって輸入ができないことにもつながるため、細かい確認が欠かせません。そして、海外にある現地代理店と英語によるメールでやりとりし、船舶が無事に出港して到着するまでを手配しています。

STORY 01

出港直前で止まった台湾輸送

部署に配属されてから約半年。私が任されたのは、冷凍食品のコンテナ9本を台湾に輸送するという大型案件でした。コンテナは1本あたり全長約12メートル。そこに食品が積め込まれていると想像するだけで圧倒されたことを覚えています。また、冷凍食品を船舶で輸出する際は「リーファーコンテナ」と呼ばれる温度調節が可能な特別なコンテナが必要ですが、数が限られている上、低温を維持するための温度設定や電源確保など、通常のコンテナ以上に制約が多くなります。温度が少しでもずれると品質に大きな影響が出てしまうので、船会社さんへの依頼を慎重に進める必要がありました。経験の浅かった私は不安で一杯でしたが、案件を依頼された時から先輩がずっとサポートしてくださったので、新たな挑戦に向き合うことができました。しかし、社内の営業担当の方と毎日のようにやりとりをしながら船舶のスペースを押さえ、輸送の段取りがついたタイミングで、思わぬピンチが訪れます。出港直前になって「輸出時の確認事項が増えた」と判明。輸出をすることができなくなってしまったのです。

STORY 02

一度のすれ違いを恐れずに誠意を

既にリーファーコンテナ9本分のスペースを確保し、船会社さんとも詳細を詰めていたため、急遽キャンセルする決断は非常に重いものでした。長いお付き合いがある中での大型キャンセルは、今後のスペース確保に影響しかねないからです。その一方で、荷主様は再輸出に向けた準備を進め、再度依頼をかけてくださいました。そこで私と営業担当者で、スケジュールを一から立て直すことにし、複数の船会社さんをあたって、遅延リスクも踏まえた上で納期の遅れを最小限に抑える輸送プランを検討。営業担当者が主体となって動いているのを後方からサポートし、船会社さんへの問い合わせや、B/Lの発行に尽力しました。1週間後、奔走した末に私たちが選んだ積載する船舶は、一度キャンセルをした船会社さんのものでした。その選択をしたのは条件に合っていたことはもちろんですが、「出荷があれば、また載せます」という船会社さんへの誠意を示すためでもあります。そのように信頼関係を築くことも、この仕事では欠かせません。最終的には、当初のスケジュールより約2〜3週間まで遅延をとどめて、輸送を実現することができました。

STORY 03

人と部署の架け橋になる

輸送不可、積載のキャンセル、スケジュールの立て直し、再度のブッキング。こうしたイレギュラーな経験の中で学んだのは、「顔を見て会話する価値」です。普段の仕事では、メールや社内チャットでのやりとりが多いのですが、今回の案件に一緒に取り組んだ営業担当者は、何かあると私の席に来て確認をしてくださり、それにつられて、私も些細なことまで質問をしに行きました。そのおかげで、認識のズレや誤解を防げただけではなく、同じ方向を向いているという信頼感が得られたように思います。細かな調整が求められるB/L作成に加え、一度キャンセルした上で改めて積載をお願いするという、失敗が許されない今回の状況では、そうしたFace to Faceのやりとりが特に欠かせないものでした。緊急事態への対応、正確さ、スピード感といった複数の要素が絡み合った今回の案件を乗り越え、私自身も大きく成長したように思います。

ある1日のスケジュール

9:30
フレックス制度を利用し、ピークを避けて出社。メール確認から業務開始。
10:00
前日の退勤後~今朝にかけて出港した船のB/Lを手配。2026年度から導入される新プログラム「カーゴワイズトレーニング」の練習も毎日30分ほど行う。
12:00
同期といつも楽しみにしているランチへ。
14:00
仕事でどんなことが起こったか、チームとして気をつけるべき点などを毎週のチームミーティングで共有。
15:00
現地代理店や社内外の方など様々な方面からの問い合わせに対応。また、依頼に応じて船のスペースを確保し、午後分のB/Lを発行手配。
19:00
翌日の出港の準備やその他のタスクを整理して退社。

今後の目標

今回の案件では、私は船会社さんと営業の間に立って仕事をしましたが、今後はジョブローテーションの機会も使って、荷主と関わるCSの業務もやってみたいと思っています。私たちNVOCCとCSの間には、まだ十分に理解しきれていない部分があり、そこに課題を感じています。その両方を知ることができれば、お互いに「困った時もお願いしやすい」と言ってもらえるような、信頼される人材になれるはずです。そうして力をつけていき、現在担当している東アジア圏だけでなく、いずれは東南アジアやヨーロッパ、北米への輸送、さらには航空部門の業務にも仕事の幅を広げ、将来的には海外駐在員として活躍したいと思っています。