突発的な品薄に
対応するための大量輸入

航空業務部 成田輸入課
2019年入社/文学部 グローバル英語学科 卒
阪上 真由 MAYU SAKAGAMI

PROFILE

書く、読む、聞く、話すという英語における4技能を大学で学ぶ。それを活かしながら、「見えないけれど、なくてはならない」「専門知識を身につけて行う」その二軸を叶えられると思えたことから国際物流業界を志望した。様々な会社を見ていく中で、自然体で会話ができた雰囲気に惹かれ、KLLへの入社を決めた。

現在の仕事内容

輸入の手配の依頼を受け、貨物情報に基づいて関係部署に指示を出すCS(カスタマーサービス)業務を担当しています。到着した貨物を通関に通し、国内の目的地まで配送することが一般的な流れです。まずは、お客様とメールなどで直接やり取りをして、貨物の情報をいただくことから始まります。例えば、貨物が「鶏肉」だとしても、冷凍なのか、調理済みなのかで関税が違ってくるので、正確な情報が必要です。その確認が完了したら情報を当社の通関課につなぎ、さらに配送を行う集配課と連携して、お客様の貨物を目的地まで届ける。そうした、一連の流れをシステム上で手配していくのですが、細かなことは直接確認するなど、コミュニケーションも重要です。

STORY 01

その規模に圧倒された

入社して2〜3年目の頃、ある食品会社様の冷凍チキンの航空輸入に携わりました。そのお客様はタイに工場を持たれており、そこで製造された冷凍チキンを日本へ輸入していたのですが、突発的な需要で品薄になってしまったんです。しかしながら、時期は行楽シーズン。チキンを待っている方のためにも大量に輸入をしなければならない。そこで、3週間もの間ほぼ毎日2~3本のコンテナを輸入するプロジェクトが発足したのです。一つのコンテナに6kgの箱が約950箱も入っており、それまでに経験したことがない物量となりました。業務には慣れてきていたので基本的な流れは分かっていたのですが、何しろ量が多く、ましてやスケジュールもタイト…。まだまだ若手だった私にとっては、とても難しい仕事に感じられたことを覚えています。もちろん、現地でも大量の貨物を輸出するわけなので、ミスが出ないようにタイと日本で緊密な連携を意識していましたが、それでも書類に不備が出てしまうなど、焦ってしまう瞬間も多々ありました。

STORY 02

すべての人がスムーズに動くための段取り

様々な課題がありましたが、特に苦労したのが温度管理です。航空機からコンテナを降ろした後は、配送のためにトラックに積み込まなければなりません。しかも、コンテナのままでは積み込めないので、パレットへの組み込みも必要。ただ、時間をかけてしまっては冷凍チキンの品質が劣化してしまうんです。冷凍食品の場合、マイナス18度以下に保たなければならないのです。そのため、しっかりと人数を確保し、いかに早く、正確にできるかという段取りを組むために、上屋(保税地域にある輸入貨物を一時保管する場所)や運送業者の方々、またKLLの先輩社員たちの手を借りる必要がありました。色々な人を巻きこむ中で意識していたのは「いつまでに、何をやってほしい」のかをきちんと伝えることです。一連の流れの中には様々な役割があり、それぞれの後にはまた別の役割の人が控えている。だからこそ「やること」と「期日」をきちんと提示できさえすれば、スムーズに進められるということが肌感覚で理解できた経験になりました。

STORY 03

社会を支える仕事であることを実感

このプロジェクトは2〜3年目だった私にとって苦労の連続でしたが、大変と思うよりも楽しいと思えることの方が多かったように思います。それまでは、自分一人で完結できることを「仕事ができる」と考えていたのですが、このプロジェクトを進めていく中で、「みんなで一緒にやる」方が達成感があると気がつけたからです。距離が近い方が感情や想いも伝わりやすいですからね。社内外での人脈も大きく広げることができ、普段の仕事の中でも助けてもらえることが増えたように思います。また、今回のように様々な方に協力を仰ぐ時は、自分がその流れを完全に理解していなければならないと、改めて学ぶこともできました。
さらに、コンビニなどで自分が輸入を手掛けたチキンを見た時は、入社前に抱いていた「見えないけれど、なくてはならない」という仕事に関われたという実感も湧いてきましたね。私たちがこのプロジェクトをやりきれたからこそ、消費者の方々がおいしいチキンを食べられる。今後もそんなやりがいを感じ続けていくために、あらゆる手配をできるようになっていきたいと考えています。

ある1日のスケジュール

9:00
出社。メールや
TO DOリストの確認。
10:00
通関書類作成および配送指示。他法令関連の検査の立ち会いをすることも。
12:00
同僚と時間を調整しながらランチ休憩を取り、気分転換。
13:00
翌日に向けての準備として、輸入者への許可案内や翌日以降の通関書類の作成。
16:00
請求書作成や翌日以降のTO DOリストの確認。
18:00
退社

今後の目標

今回のプロジェクトでは協力することの大切さを学ぶことができました。この経験を活かしながら、また食品系の大きな案件に挑戦してみたいと思っています。きっと以前よりはスムーズに手配できるようになっているはずなので、自分の力を試してみたいですね。また、私が所属する成田輸入課は、輸入のための検疫や特殊な手配が必要な他法令(関税関係以外の法令)に関連する貨物の取り扱いを得意としていますので、そちらの知識も身につけていきたいと思います。空港に近く、検疫や貨物検査で実際の貨物を見たり触れたりすることもできるので、そういった環境を活かして新たな知識を身につけ、活躍できる場所を増やしていきたいです。